お相手は坂本龍馬と中岡慎太郎、新たに紡ぐ幕末志士のカタチ
「お相手は坂本龍馬と!」「中岡慎太郎!」「この両名でした!」という高らかな声が響き渡る。もはやおなじみとなった土曜夜の光景だ。毎週彼らはかろやかに笑いを生み出していく。
新体制になってから、1年。
穏やかな雪国で『生涯ゲーム実況』を掲げる男が再び坂本龍馬というキャラクターを演じることを決めて1年がたつ。一筋縄ではいかなかったであろうその道を選んでくれたのは、隣で中岡慎太郎という相棒が支えてくれたからにほかならない。私はファンとして、応援できる場がありつづけたことを嬉しく思う。
6月27日、幕末志士は新たな形になった。
新体制で始めよか!
霧崎鋭は坂本龍馬であることを選んだ
2020年6月27日。
突然の生放送にて、新たな体制で新幕末志士が生まれることが発表された。
そのお知らせは突然やってきた。
それまで数々のキャラクターを演じた彼が再び幕末志士の『坂本龍馬』を選ぶかどうかはまったくもってわかっていなかった。もし配信をしてくれるのならば……霧崎鋭であれパニ山であれ、エンタメの鬼である彼が彼である限りその面白さは変わらないと確信していたが、坂本龍馬をまたやってくれたら嬉しいだろうなという思いはあった。そんな想いとともにあの2か月間を過ごしていたのをぼんやりと覚えている。
「みなさんこんにちは。坂本龍馬です」
「次の推しは見つかりましたか?」
突然の配信。いつものように名乗った彼の声はあまりに柔らかく優しかった。
KAWARA-BANを彷彿とさせるような声で淡々と近況を語り、一般人として戻ることを話すと、コメントがどことなく湿っぽさを帯びた。彼は動揺で満ちる色とりどりのコメントに「ね、みんなありがとうね…またどっかで会おうね。うん…みんな本当にありがとうな」と告げ、すぐに。
「って騙されてるんじゃねえよお前ら!!!!!!!!!
まじで!!!!!!!!!!!!」
大音量のどんでん返しに思わず息をのんだ。
その瞬間、異様なほどにエンタメにこだわり、よく笑いよくはしゃぎ、炎がよく似合う『坂本龍馬』という男が再び戻ってきたことをようやく思い知ったのだった。
N君から中岡慎太郎へ
ネカマのグルメは札幌各地のおすすめご飯企画だ。ご飯が大好きな人の食べ物話を聞くのは楽しい。
戻ってきた坂本さんの相方となった中岡慎太郎は、放送でたびたび登場していたN君だ。坂本さんが幕末志士として活動をする前、コンビをしていた『髭と豚』の片割れでもある。
幼馴染であり、ネカマのプロとして元嫁をした謎の経験がある中岡さんは、まっすぐでどこかぼけていて一生懸命で、なにより面白い。時折漏れる毒舌や、擬音語がユニークだ。トークセンスやゲームプレイがどんどんうまくなっていく姿を見ていると、応援したくなる。
どついて笑って遊びたおす
坂本龍馬暗殺阻止ゲーはチーム幕末によるもの。漫才を見てるような気持ちになる小気味いい実況だ。
新幕末コンビの魅力はカラッとした面白さだ。
テンポがいいコント調や自由度の高いゲームがよく似合う。ゲーム実況はさまざまな伝え方があるが、このグループはつくづく『笑い』を重要視しているのだと思い知らされる。
特に中岡さんがアシストする形でのマルチタスクゲーは魅力倍増だ。中岡さんのわかりやすい説明やサポート力、坂本さんの発想力の高さがぴたりと合っている。Good Jobなどがその例だろう。
また雑談や中岡さん企画もので時折見られるどつきあいのプロレスのようなトークはテンポがよく、餅つきのようなクセになるリズム感がある。
最近では坂本さんのやりこみ企画やソロ配信、またクリエイターを巻き込んでのグループ実況などもあり、新たな面白さをとことん楽しめる。色んな角度のエンタメに毎度笑いつつ、まだまだこんな「面白い」があったのかと驚いてしまう。初めて動画を見てから10年以上、ハマってからは数年が経つ今でさえ、視聴していて「面白い」が更新されていく。それは彼らがその「面白い」のために日々工夫し、努力しつづけてるからだろう。
どんな困難も乗り越えていこう。この歩みで。
騒がしいけど一人で歩くよりずっとマシ。そんな感じです。ありがとね。 pic.twitter.com/9pLzpTPcLZ
— 幕末志士 (@kirizaki_ei) June 27, 2020
歩きハンクの投コメをふと思い出す。
2020年はまさにメンバーたちの歩みでどんな困難も乗り越えていった年だった。
毎週のように放送があり、ソロ配信がある。かつて予想だにしてなかった嬉しい未来がいままさにここにあるのがファンとして嬉しい。
これからもまたたくさんの笑いが待っているのかと思うとどきどきする。
前へと進む彼らが好きだ。面白いから好きだ。
これからも幕末志士の活躍を元気に応援していきたい。