君は幕末志士・坂本龍馬の『モテ編集』を知っているか!?
ゲーム実況者の編集に思いを馳せるのが好きだ。
同じ題材やゲームでも、切り取り方一つでまるっきり内容が変わるというのは面白い。ゲーム実況というジャンルを楽しむ際、その人のゲームプレイやトークセンス、性格に目がいきがちだが、編集に目を向けてみるとその人が『どこを一番重視しているのか』が少しだけわかったような気がする。
坂本さんのモテ編集の話をさせてほしい。
モテ編集という言葉は、主にラジオのアーカイブなどで坂本さんの編集に対して使用されている。略称は『モテ』『モ編』など。彼の編集を褒める際によく使われるフレーズだ。
今回は大好きなゲーム実況者坂本さんの『モテ編集』について語りたい。
坂本龍馬の編集スタイル
※ラジオアーカイブ生特5ではボンバーマンの裏話が聞ける。坂本さん曰く編集点が入っているらしいが……。
坂本さんというと『世界のエンターテイナー』や『ピエロ』という通り名が脳裏をよぎるが、そのキャラクター性とは裏腹に編集自体は実にさっぱりとしている。
以前も記事で触れたが、彼の編集はさりげなくわかりやすいのが特徴だ。Youtubeで主流となりつつあるテレビのバラエティー番組的な編集ではないので、注意深く見ていないとその工夫を見逃してしまうかもしれない。
暗転カットや漫画のコマにコメントがかからないところもなんだけど、力君の編集はシンプルだけど「なんだか見やすい」んだよね 気遣いとたゆまぬ努力がにじみ出た良い編集で、私は彼の編集が大好きです
— 橘 (@tikarakun999) 2020年11月17日
彼の編集は派手ではない。おだやかだ。
けれどもその編集は日々工夫が重ねられている。彼のそうした努力にふと気づくたび、私は勝手に興奮している。いつでも探している。どっかにモ編の姿を探さずにはいられない。向かいのホームにも路地裏の窓にもモ編は存在しない。Youtubeチャンネルとニコニコ動画にモ編はいる。
では彼のモテ編集は一体どこにあるのだろうか?
坂本龍馬のモテ編はこれだ!
モテ編集①:シンプルかつ魅力的なサムネイル
※奴来る12周年記念は奴が来る壱を思い出させるようなファン感涙のサムネイルだ。
彼のサムネイルはニコニコ動画らしさが残っている。すっきりとしたサムネイルの中に面白さがあるのだ。
最近はニコニコのラジオアーカイブではなくとも挿入イラストをクリエイターが担当していることが多く、どれもゲームの世界観を表した素敵なサムネイルになっている。
また1年ほど前からはゲームに合わせたフォントを積極的に使用していて、目で見ても楽しい。
なかでも奴来る12周年は、奴来る壱を意識したサムネイルだろう。
最近のサムネの中ではかなりシンプルではあるが、気づいた瞬間感動が押し寄せてくるタイプのものである。こういった伏線回収のうまさが好きだ。オタクのことをよくわかっている。
モテ編集②:コメント入りとコメント無しの配分
※エムノートでは自筆ノート部分にコメントがかからないように編集してある。
ラジオアーカイブではゲーム時に視聴者が集中できるよう、あえてコメ無しを使用する。
これがもっともよく知られているモテ編ではないだろうか。
実際にニコニコ動画ではゲーム時にコメント無しに変わる様があまりに自然なため、この瞬間『モテ編』『モヘ』『モ編』などついているのがよく見受けられる。
最近あがった『怒りのボンズ』では、スライドが変わった瞬間数秒間コメ無しになるというモ編の離れ業を披露している。
おそらく視聴者側のスライドを読む時間を考慮しての編集だろう。気づいた瞬間は正直その気遣いに鳥肌が立った。
坂本龍馬、どこまでモテれば気がすむのだ。この男は。
モテ編集③:読者の負担にならないカットや音量調整
※えほんRPGでは放送時の暗転部分が自然にカットされている。
生放送のアーカイブ化でよく見られる方法である。
とりこみが上手くいかなかったなどの理由で若干ぐだった際は、アーカイブの際だいたいキレイにカットされている。また歌系のアーカイブは放送時よりも音量が大きめになっていたりクリアになっていたりすることも多く、ゲーム実況者の歌声になぜか狂いがちな人間としてはありがたい限りである。
一方でオタクとしてはそういう『ぐだり』がたまらなく、心に来るときもある。
そういった点では、伝説の回西郷トントンはオタクの思いが(おそらくエゴサによって)届き、カットされなかった稀な例である。
個人的には汚い風が楽しめる維新の風がおすすめ。接触悪いなあ……といいながらフーフーする音が予想の10倍くらいデカくて毎回笑ってしまう。
モテ編集④:ながら見に優しい点数表記
※即死スマブラ64では得点表示にSD中岡さんがこっそりいる。
幕末志士はいわゆる対戦ゲーをすることが多い。私などは頭が緩いのでぼーっとしていると今何対何なのか忘れてしまいがちだが、そんな時に助かるのがこの編集だ。
またくにお君などドットゆえにキャラの見分けがつきにくいゲームに関しては、1P2Pの名前が編集で説明されてたりすることも。
最近はスマブラで妹が誘拐されがちな某あの人は、お決まりのBGM突っ込みのほか、生放送中自分で勝敗のカウントを書き出すというリアルタイム編集をしたりしている。考えただけで手も足もせわしなく動いてそうだ。
モテ編集⑤:あまりに自然な編集点
※編集見るの好きとして実はおすすめなのが黒歴史シリーズ。
坂本さんはとてもナチュラルに編集しているため、だいたい編集点がわからない。
最近のゲームアーカイブにしても、3分休憩という仕切り直しを考慮してもラジオの途中とは思えないくらいキレイに切り取るなあと感嘆してしまう。
場面と場面の間や、一瞬の息継ぎの静寂を編集点にしているのだろうと理解してはいるのだが、やっぱりよくわからない。
そんなうますぎる編集点が探せるのが、黒歴史シリーズだ。
黒歴史動画はニコニコ動画の使用上60分以内に収めようとして、実はいろんなところで編集されてたりする。ラジオを聞くと無修正版が楽しめるので、会員はぜひ動画だけではなくラジオアーカイブも見てほしい。
ちなみに黒歴史編で私が一番好きな編集点は、RO編でN君(とのチャH)で童貞を捨てたが丸ごとカットされてるところです。
これからも世界のエンターテイナーは『モテ』つづける
私は「見せ方は魅せ方」だと思ってるんですが、力君の編集は決して派手ではないけれど編集点を感じさせない滑らかさかつ、いたるところで気が配られていて、素敵な見せ方だなあと思っているんですよね
— 橘 (@tikarakun999) 2020年11月18日
アーカイブ投稿頻度や生放送、アーカイブ自体の編集などを見ていると、今頑張っているなあと感じる部分が多く、ファンとしては嬉しくなってしまう。
実際に今回改めて記事を書く際に改めて色んな動画を見ることで、もっと彼を好きになった。
見せ方は魅せ方だと思う。
彼のエンタメ、編集、キャラクター性、その一つ一つが私を今日も魅了する。
(本来の意味とはさておき)これからも『モテ』つづける人間だと、私は思っている。
これからも今後のエンターテインメントが楽しみだ。