実況者、坂本龍馬の物語は続く

 大好きな実況者がソロ配信もはじめた。

 

 この一年間彼が精力的に活動し続けてきたことは、ファンとしてよく知っていた。『生涯実況』をSNSで掲げてからは地道にコツコツとアーカイブを上げ続け、配信も頻繁に行っているのも知っていた。

 困難があってもなお、持ち前の精神力で前を向いて進んでいく彼の強さが好きだ。ファンを大切にしてくれる姿勢とエンタメに対する異様なほどのこだわりが好きだ。そしてなによりゲームを楽しそうにやる姿が好きだ。放送で見せる新たな一面が好きだ。好きで、だからこそずっと応援しつづけている。

 

 今日はそんな彼、ゲーム実況者坂本龍馬『サカつべ』について語りたいと思う。

 

 

 

新たに始まる物語

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 『サカつべ』は文字通り、ゲーム実況者である坂本龍馬が行うYouTube配信だ。

 

 サカつべ以前も幕末志士チャンネルでは「スマカス拳」などが行われていたが、いわゆるやりこみ&対戦ゲーだった。RPGに関してはほとんどといっていいほど実況プレイをしておらず、本人もニコニコの放送で自身の力量を心配していたほどだった。

 

 ちなみに坂本さん曰く急に「サカつべ」を始めた理由は、リアルでのお見合い回避らしい。なんとも坂本さんらしいというかなんというか…。

 

 現時点で、サカつべの動画は3本見ることができる。今後増えていくだろうが、今回はその3つを順次紹介していきたい。

 

 

サカつべ3選

初サカつべは「かなしいです」

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実況ゲームは『ロマンシング サ・ガ

 

 記念すべき初めての放送は、ロマンシング サ・ガ

 

 実はこのサムネは放送前に何度も変更されている(というか今のところ全ての生配信のサムネは放送直前に差し替えられたものである。ゲームタイトルを予想しつつ最終決定を心待ちにするのもちょっとした楽しみだ)。私はいつもサムネのリアルティさが怖くて笑いながら泣く。

 

 配信ではロマンシング サ・ガのストーリーとともに、坂本さんがお姉さんとの思い出をしみじみ語っている。

 

 発売当時は文字さえよくわからずお姉さんの隣ではしゃいでいた少年が大きくなり「姉さん、僕の姉さん見てますか?」「あなたが30年前にどうしても越せなかったあのゲーム、今日僕が姉さんの代わりに最後まで越します」から配信を始めるという流れは、胸熱展開そのものだ。完全にオタクが大好きなやつ。初めて見たゲームだったが、ひとつひとつ丁寧に説明をしながら配信を進めてくれるため没頭できた。

 

 ゲーム実況の魅力は、知らなかったゲームと出会うきっかけを与えてくれることだ。

 RPGは集団での実況には向いていない。彼がソロ配信をしてくれなかったら、きっと私はゲームの存在も知らないまま、面白さにも気づけなかっただろう。

 

 ちなみに気になる『お姉さんの代わりに越せたかどうか』だが、配信タイトルを見ればごらんのとおりだ。

 

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コント:不殺拳

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実況ゲームは『MGS5:GZ』

  

 2回目の放送は、『MGS5:GZ』だ。

 サムネの真顔でこちらを見てくる謎アバターがじわじわくる。「こっちみんな」という言葉がよく似合っている。

 

 『不殺拳』と名付けられたこの配信では、人を殺さない縛りをしている。「正義の誓い」「真のヒーロー像」などと説明した後で、「僕…もうコメント見られない。潜入ミッションの"""""獣""""""になるよ」と突然謎の発言をかましてくるところがたまらない。本当に急に獣になりだすからびっくりする。

 

 その後宣言通り人を殺さず戦場に赴くわけだが、この展開がまあ面白い! 完全にコントなのだ。人を殺さないようにてんやわんやする様はお世辞にもかっこいいスパイとはいえず、もはやケイドロにしか見えない。

 

 彼のピエロっぷりが生きているまさに『彼らしい』配信だ。おそらく本人も予想外だったであろうオチも含めて、坂本龍馬という男の道化を体現していると私は思っている。

 

 MTGシリーズの車縛り新幕末のアーカイブも見返したくなる放送だ。

 

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道ゆく人に花束を

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実況ゲームは『のらねこ物語』

 

 3回目の放送は、『のらねこ物語』だ。

 野良猫の主人公が他の猫や道行く人間と交流をしていくゲームである。パッケージの愛らしい見た目とは裏腹に、ストーリー上かなり悲しい要素もあるので苦手な方は注意。

 

 配信では実況界きっての猫好き(愛猫ミケはなんと御年22歳だ!)の坂本さんが、おどけながらもいつもと違った様子で悩みながら選択をし、自分の考えを交えて話し、向き合い、ストーリーを紡いでいく。

 そこにはRPG放送ならではの良さがつまっていた。

 

 「野良猫は保護をしてかわいがって長生きしてほしい」という考えを持っている坂本さんは、ゲーム内で必死に生きる野良猫を見て胸打たれる。野良猫として生きるために、人間たちと必死で交流をする。それなのに自身が演じるキャラクターも苦しい状況の中、幼い兄弟猫の鳴き声に耐えきれず食べものをあげてしまう。

 

 ネタバレになってしまうので多くは語らないが、ゲームの中で坂本さんはありとあらゆるキャラクターに花を渡していた。私はそのシーンが好きだった。

 

 ご飯をわけてくれる人間と頼りにしてくれる幼い猫たち。坂本龍馬という実況者がどのストーリーを選んだかは見てのお楽しみだ。

 

 

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たくさんのゲームにかこまれて

 放送が増えていくたびに「面白かった」が更新されていく。

 

 紹介した上記の配信では坂本さんの思い出が語られている。お姉さんがゲームをしていたこと、キャラクターがお父さんに似ていること、自分が愛する猫のこと……。そのどれもが優しく、彼がゲームとともに人生を紡いできたことがわかる。

 

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大量のゲーム片手に友達と楽しく談笑する。宝物に囲まれた子供のように。(新ラ5回)

 

 ゲームと思い出が表裏一体になっているからこそ、ゲームとともに生きてきたからこそ、ゲームを愛してきたからこそ、坂本龍馬の配信は面白い。

 これから先、また新たな「楽しい」がやってくるのだと思うと、わくわくしてしまう。

 

 坂本龍馬という人は、私にとって世界一のゲーム実況者だ。

 

 これからも彼が生み出す物語を堪能していきたい。